hero
急性肝性ポルフィリン症

急性肝性ポルフィリン症について理解する

急性肝性ポルフィリン症(AHP)は、生命を脅かす可能性のある、希少な遺伝性疾患です。急に起こる激しい腹痛などの症状に加え、日常生活機能と生活の質(QOL)に影響を与えるさまざまな症状が持続することもあります。 AHPは、肝臓で作られる「ヘム」と呼ばれる物質を作る過程で必要な酵素(タンパク質の一種)の遺伝子に変異があることで発症し、4つの病型[急性間欠性ポルフィリン症(AIP)、遺伝性コプロポルフィリン症(HCP)、異型ポルフィリン症(VP)、アミノレブリン酸脱水酵素欠損ポルフィリン症(ADP)]に分類されます。 なお、ポルフィリン症は、AHPと光線過敏症など皮膚症状を主体とする「皮膚型ポルフィリン症(CP)」とに区別されます。CPでは、皮膚の水疱、疼痛、露光部に発赤や腫脹を伴うこともあります。

米国と欧州の報告では、年間約5,000人が1回以上のAHPによる発作を経験し、年間約1,000人に頻繁かつ重い発作が起こるとされています。

急性肝性ポルフィリン症のQOLへの影響

急性肝性ポルフィリン症では、以下のいくつかが組み合わさった症状がみられることがあります。

 
 
 
 

広範囲に及ぶ激しい腹痛、
吐き気/嘔吐、こげ茶/
赤っぽい尿

筋力低下、しびれ、呼吸障害

 

混乱、不安感、けいれん、
幻覚、倦怠感

露光による皮膚の水疱性病変、
びらん、潰瘍(HCPとVPのみ)

 

急性肝性ポルフィリン症の原因は何か?

AHPでは、肝臓でヘムを上手く作ることができないため、それを補おう
としてヘムを作るために必要な「ALAS1という酵素の量が必要以上
に多くなっています。ALAS1の増加が、ヘムが作られる途中段階の物質
(ヘム生合成中間体)であるアミノレブリン酸(ALA)やポルフォビリ
ノーゲン(PBG)の過剰産生につながります。
*aminolevulinate synthase 1:アミノレブリン酸合成酵素1

AHPに関連する遺伝子変異を持つ人では、ヘムを作る過程において必要な酵素の一つが不足しています。AHPの症状を誘発する因子がこの過程に影響を与え、ALAS1が増加することもあります。

ALAやPBGが神経の働きを障害することで、急に起こる激しい腹痛などAHPに特徴的なさまざまな症状が現れると考えられています。

急性肝性ポルフィリン症の原因は何か?

AHPでは、肝臓でヘムを上手く作ることができないため、それを補おうとしてヘムを作るために必要な「ALAS1*」という酵素の量が必要以上に多くなっています。ALAS1の増加が、ヘムが作られる途中段階の物質(ヘム生合成中間体)であるアミノレブリン酸(ALA)やポルフォビリノーゲン(PBG)の過剰産生につながります。

AHPに関連する遺伝子変異を持つ人では、ヘムを作る過程において必要な酵素の一つが不足しています。AHPの症状を誘発する因子がこの過程に影響を与え、ALAS1が増加することもあります。 *aminolevulinate synthase 1:アミノレブリン酸合成酵素1

ALAやPBGが神経の働きを障害することで、急に起こる激しい腹痛などAHPに特徴的なさまざまな症状が現れると考えられています。

 
 
ふたりの私:ポルフィリン症とともに生きる

この動画は、急性肝性ポルフィリン症(AHP)と共に生きる世界中の7人の人生を描く、人間の強さ、忍耐、そして生きることの物語です。
 

参考文献

  1. Puy H, Gouya L, Deybach JC. Lancet. 2010;375(9718):924-937.
  2. ORPHANET; The Porphyria Consortium. https://www1.rarediseasesnetwork.org/cms/porphyrias/
  3. Bissell DM, Anderson KE, Bonkovsky HL, et al. N Engl J Med. 2017;377(9):862-872.
  4. Simon A, Pompilus F, Querbes W, et al. Patient. 2018;11(5):527–537.
  5. Pischik E, Kauppinen R. Appl Clin Genet. 2015;8:201-214.
  6. Balwani & Desnick., Hematology Am Soc 6. Hematol Educ Program 2012;2012:19-27.
  7. Bonkovsky HL, Maddukuri VC, Yazici C, et al. Am J Med. 2014;127(12):1233-1241.
  8. Gouya et al., European Association for the Study of the Liver (EASL) Congress 2018. Presentation
  9. Naik H, Stoecker M, Sanderson SC, et al. Mol Genet Metab. 2016;119(3):278-283.
  10. Szlendak U, Bykowska K, Lipniacka A. Adv Clin Exp Med. 2016;25(2):361-368.
  11. Besur S, Hou W, Schmeltzer P, et al. Metabolites. 2014;4(4):977-1006.
  12. Ramanujam VS, Anderson KE. Curr Protoc Hum Genet. 2015;86:17.20.1-26
  13. Elder G, Harper P, Badminton M, et al. J Inherit Metab Dis. 2013;36(5):849-857.
  14. Pallet N, Karras A, Thervet E, et al. Clin Kidney J. 2018;11(2):191-197.
  15. Peoc'h K, Manceau H, Karim Z, et al. Mol Genet Metab. 2019;128(3):236-241.